「中小企業診断士」って何?
こんにちは、中小企業診断士の尾亦です。今日も寒いですが、カラッとした気持ちの良い散歩日和ですね。今日の午後から古巣の城南コンサル塾関連の勉強会に参加してきます。城南コンサル塾とは、東京都中小企業診断士協会の中にあるプロ・コンサルタント養成塾で、私はここで経営コンサルタントとしての修業をさせて頂きました。
ところで、昨日の日経新聞に「40代からの学び直し 専門家が選んだ役立つ資格は」という記事があり、「中小企業診断士」が1位に選ばれていたのでご紹介します(日経新聞記事はこちらから)。ちなみに、ランキングは1位が中小企業診断士、2位が社会保険労務士、3位がITストラテジスト、4位が情報セキュリティマネジメント試験、5位が応用情報技術者とのことでした。評価者はアイリスオーヤマ、ライオン、エン・ジャパンなどの大手企業の人事関連の方のようですが、DXが叫ばれている中において、「情報系」の資格ではなく、「人間系」の診断士・社労士が選ばれていることが大変興味深いと感じます。
私自身は、キャリアを築く上で中小企業診断士の資格取得をきっかけに、サラリーマン時代に大きなチャンスを頂けたこともあり本当に感謝しています。又、今でも周囲の中小企業診断士の方々に助けて頂いていることもあり、「中小企業診断士」であることを大事にしています。又、中小企業診断士の資格を取得している方は「人柄が良い」方が多いと感じます。(私の勝手な推測ですが)多くの方がとても優秀でありながら、ご苦労も経験されていて、それが人柄に滲み出てきていると感じる方に出会うことが多いです。大変優秀でありながら、とても謙虚な方が多い印象です。
一方で、起業後1年の間に沢山の方とお会いしてきましたが「中小企業診断士って何?」という質問を受けることも多く、知名度の低さを感じることも事実です。今回の日経新聞の記事で、中小企業診断士の知名度が少しでも上がることがあれば嬉しいです。
そもそも中小企業診断士とは?(㈳中小企業診断協会より)
「中小企業診断士」は経営コンサルタントに関する唯一の国家資格です。弁護士・会計士・税理士などと違い、独占業務が非常に限定的な資格なので、「この仕事をしていれば中小企業診断士」というものは少ないと思います。つまり中小企業診断士というのは国家資格の名前であり、「職業は〇〇」というときに「中小企業診断士」と言われることは少なく、「職業は経営コンサルタントで、中小企業診断士の資格を持っています」という補足的な説明をされる方も多いのではと思います。
【中小企業診断士とは~㈳中小企業診断協会より引用、こちら】
中小企業診断士とは、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。法律上の国家資格として、「中小企業支援法」第11条に基づき、経済産業大臣が登録します。
中小企業診断士制度は、中小企業者が適切な経営の診断及び経営に関する助言を受けるに当たり、経営の診断及び経営に関する助言を行う者の選定を容易にするため、経済産業大臣が一定のレベル以上の能力を持った者を登録するための制度です。
中小企業基本法では、中小企業者が経営資源を確保するための業務に従事する者(公的支援事業に限らず、民間で活躍する経営コンサルタント)として位置づけられています。
中小企業診断士の資格取得は、何故役に立つのか?
日経新聞の記事のように、中小企業診断士の資格取得によるメリットは、サラリーマンとしてスキルを活かせる機会があることや、独立開業の道も開ける等があると思います。一方、私は人生100年時代にあって、リスキリング(学び直し)が求められる時代に「学び続けるための受け皿」が出来るのが、中小企業診断士の資格取得/学習のメリット、という感覚を持っています。
人生100年時代に健康寿命が長くなっている一方、AI/IOTが世の中を激変させて「人間の仕事が代替され」ていきます。多くの仕事が生み出されていく中で、新しい仕事に順応していくことも求められる時代にあって、継続的なリスキリング自体がこれからの人生を生き抜く上での必須のスキルとなります。
中小企業診断士の資格を取得する過程で、企業経営やマーケティング・経済学などの「世の中を理解するための基礎知識」が手に入ります。一方、中小企業診断士の資格は取得して終わりではありません。体系立った知識・世界観が、これからの長い人生で、常に自分をアップデートしていくための、学び直しを続けるための受け皿になると思います。パソコンのOSを更新する、というイメージでしょうか。(メモリなどのハードまでは流石に変えられないですが。。)
情報が氾濫する中、表面的な知識・情報はどんどん陳腐化していく中で、世の中を構造的/本質的に理解することが、情報の理解・取捨選択に繋がり、「ブレない」生き方に繋がると思います。中小企業診断士の資格取得では正に、世の中を構造的に理解するための体形的な学習要素が詰まっています。
(以下、日経新聞1/15記事より)
(1位:中小企業診断士)
中小企業の経営課題全般について診断・助言する国家資格。主な業務は相手先の経営陣と一体になって成長戦略を策定することだ。大企業に勤める人も「企業をトータルな視点で見ることができるようになり、スキルは勤め先でも生かせる」(上井光裕さん)。学識経験者らの評価が高く「官民で幅広く活躍できるフィールドがあり、経験が生かせる」(原正紀さん)、「難しい資格だが、これまでの知識・スキルを整理でき、開業の道もある」(浅野浩美さん)との声があった。
中小企業診断士になるためには「経済学・経済政策」「企業経営理論」などの1次試験に合格した後、登録養成機関が実施する養成課程を修了する、2次試験に合格して実務補習を受けるといった複数のルートがある。登録有効期間は5年だ。
①学習時間の目安 1000時間以上②試験合格率 1次は40%弱、2次は約20%③試験実施機関 中小企業診断協会
最後に、これからも、中小企業診断士の資格に恥じないよう、常にノウハウ・スキルのアップデートを続けて、世の中に貢献できる経営コンサルタントでありたいと思います。改めて、「前向きに・素直に・勉強好き」でいることが重要ですね。