ECの市場規模が20兆円を突破(経済産業省の最新レポート)
こんばんは、「ECに強い事業再構築コンサルタント」で中小企業診断士の尾亦です。
毎年、経済産業省が発表している国内電子商取引市場規模(EC 市場規模)の最新版が発表されました。
経済産業省:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました
https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005.html
令和3年の国内のB2C EC市場規模は20.7兆円(対前年7.35%増)
市場規模は20.7兆円で対前年で7.35%拡大しました。
昨年は本調査開始以来、初の減少に転じたものの、今年は増加に転じた形です。
【参考】令和2年EC市場規模(経産省発表)はこちらからどうぞ
令和2年はコロナ禍の感染拡大対策として、外出自粛・EC利用が推奨された結果、物販系分野の大幅な市場規模拡大につながった一方、旅行サービス等サービス関連の市場が大幅に縮小した結果、EC市場全体では対前年で減少した結果となりました。
https://zenjapan.co.jp/?p=2651
物販系分野の市場規模 / EC化率
物販系の市場規模は、昨年の対前年+21.7%増という爆上げは収まったものの、13.3兆円で対前年8.61%と堅調に推移しています。
サービス分野(旅行・飲食・チケット販売等)は4.6兆円、対前年で12.38%成長しました。令和2年にコロナ禍で激減した本分野ですが、ワクチンの拡がりなど対策方法が明確になったことで人流が活発化した結果、市場規模が一定程度回復しました。
デジタル系分野(電子出版、音楽・動画配信、ゲーム等)は2.7兆円、対前年で12.38%成長しました。
又、物販系分野における「EC化率」は8.78%と対前年で0.7ポイント増加しました。
eMarketerによれば、世界のEC化率は19.6%と推計されており、2025年には24.5%にまで上昇すると予測されています。
つまり日本のEC市場は増加傾向にあるものの、世界のEC化率と比べると見劣りします。逆に言えば「日本のEC市場は未だ伸び代が残っている」とも言えます。
※EC化率とは、全ての商取引金額(商取引市場規模)に対する、電子商取引市場規模の割合を指します。
(物販系分野のBtoC-EC市場規模及びEC化率の経年推移(単位:億円)
又、EC市場をカテゴリー別に見ると、市場規模・EC化率共に、バラつきがあることも見て取れます。
先ず市場規模は、「食品・飲料、酒類」「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」「衣類・服装雑貨等」「生活雑貨、家具、インテリア」の割合が大きく、4カテゴリー計で物販系分野の70%超を占めています。
一方、EC化率は、「書籍、映像・音楽ソフト」「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」「生活雑貨、家具、インテリア」が二桁以上と高いです。
「ECで購入しやすい商品はEC化率が高い」「ECで買うより、直ぐ購入したいものはEC化率が低い(実店舗で購入)」というのは、皆さんの生活実感とも合致していると言えませんか?
EC市場は今後も継続して拡大を予測
上述した通り、世界的に見ても日本のEC市場は、伸びしろがあります。
コロナ禍を経て、ECでの購入が生活に浸透しており、これまで敬遠されてきた高齢者層にもEC利用が拡がっている傾向です。
又、市場が拡大する中で、ECを活用した販路拡大は中小事業者にとって一つの武器になりえます。
一方で「ECサイトを始めたけど、売上が上がらない」「ECサイト構築したけど、ECサイト運営はどう進めればいいの?」といった『EC難民』と言える事業者様が多くいるとも感じます。
当社は支援者として、ECに取り組む事業者様をご支援する中で、「基本のキ」から分かりやすく、腹落ちした状態で事業者様が取り組めるよう、支援に尽力できればと思っています。